逃げ場

初めて、仕事から逃げたいと思ってる 今までは何かのきっかけがあって、何かその原因から逃れようとして、どうにか乗り切ろうとしていたけど、今回ばかりは何か違う。 動悸は止まらない あんなに可愛かった生徒とは距離を取りたい 楽しかった授業は拷問でし…

幸せではないという幸せ

人は勝手な生き物だ 仕事終わりに買って来た コンビニの焼き鳥と缶ビールを こたつに入って胃の中に収めた時 幸せだぁと深く息を吐く日もあれば 仕事でミスして げんなりして家に帰って来た時には 上着とカバンを放り投げ スーツのままベッドに倒れ込み いつ…

泥のように眠れ

昨夜夢を見た 夢の中の「俺」は記憶を失っていた そして、何かを探し続けていた 赤地の絨毯には黄金色が施され ホールのように階段状に 座席が並んでいた そこに座る人々は馴染みのある人ばかり 楽しそうに何かを待つ人もいれば 悲しそうに涙を浮かべる人も…

消えてしまえ泡

私の時間は消えていく ブルーライトを放つ薄い板に 吸い取られるように消えていく 自我を失ったように ビッグデータに操られた 次々に流れてくる脳内の縮図 こんなにくだらないものが好きなのか ふと自分を振り返ると しょうもなさすぎてため息しか出ない あ…

出囃子のあの高揚感

リズムのいいあの音楽が鳴る ドクドクと高鳴る胸を抑えようと必死に呼吸をするけれど、無意味だった 舞台に真っ白な強いライトが当たると、大きな声を張り上げて飛び出していく 目の前に座る観客がしまい忘れたスマートフォンに少し目がいきながら、一息自己…